新宿ケイズシネマにて「森ウルフ」を観ました

国内外で植林活動を進めている植物生態学者、宮脇昭さん、現在84歳。国内外1400カ所、約4000万本以上を植えてきたという人で、世界的にも有名な方ということだ。その活動を追ったドキュメンタリー。岡山の農家の4男として生まれ、農家を苦しめる雑草のことを研究テーマとして選んだ。そして1955年から6年かけ日本各地をくまなく歩き、各地の雑草を調べたという。その頃の給料9000円をほぼつぎこんでの日々。家計は苦しいうえ、家にはほとんど帰ることなく、子育てにかかわることもなくきたという、いわゆる過剰な研究没頭のおかた。今のお顔からしても、その強烈な個性がうかがえます。
この宮脇先生が現在推進しようとしいるプロジェクトが、東北の被災地のがれきを盛土材料として活用して、防潮堤を青森から福島県におよぶ海岸につくろうというもの。
有害なもの、分解できないものを除いたがれき(木材、コンクリートなど)と土砂を混ぜ、幅30m以上、高さ20〜30mのマウンド(植樹地)をつくり、そこの土地に本来育つ常緑広葉樹の苗を植える。がれきと土壌の間に空気層があることで、根がより地中に入ることになり、根ががれきを抱き込むように伸びることから、木がより安定する。高木から低木、草本植物による多層群落の森がここにできることになる。これにより津波が押し寄せた時には、この自然の堤により、水位と速度が下がる。
津波が引く時には、漂流物が海に流れ出るのを防ぐことができるそうだ。
参考:いのちの森プロジェクト
http://greatforestwall.com/