「狙った恋の落とし方」をキネカ大森で観た

北海道への中国人観光客激増のきっかけとなった映画。そのことを以前ラジオで耳にし、いつか観てみたいと思っていました。
北海道(阿寒湖や知床ほか)とともに中国の杭州などが場面に出てきますが、いづれの地も旅心を誘う、景色の美しさ。
ロケ地のバランス加減といい、旅の途中に「昴」や「知床旅情」をはさんだり、日中友好の気遣い(!?)も感じました。
主人公は、40代の婚活男性チン・フェン(グォ・ヨウ)と不倫の恋に苦しむ女性シャオ・シャオ(スー・チー)。
親孝行をひきあいに墓を売りつけられたり、恋愛を株取引にたとえてみたり、男性が次々と会うお見合い相手それぞれとの会話が面白い。合理的で、ドライ、多様な中国の一面をみるような。
この味のある会話をDVDでもう一度よく観てみたい。
音楽もしゃれていて、自然や中国のカフェなどロケーションも素敵と思わせるところがいくつかあり。紛争が解決しない訳やら、台湾のこと、日本の食文化などの社会的な側面など、さまざまな視点が会話の中にさりげなく盛り込まれていることも聞き逃せない。
ラブストリーとしてのせつなさと、笑いもほどよく織り込まれ、心地いい気分にさせてくれる映画でした。

邦題「狙った恋の落とし方」 
  *原題 非誠勿優 
(フェイチャンウーラオ 最後の字のへんはテ偏 :意味は「冷やかしならお断り」)
監督 フォン・シャオガン
2009年お正月に中国で公開され
中国映画NO.1ヒット作に。2010年1月現在 興行収入3億5000万元(約50億円)