サライの昭和の名人桂枝雀のCDを購入

小学館サライ責任編集。2席は入っていて、490円。安い、即買いです。
ひとつはおなじみの「代書屋」。大正時代が、舞台の話。世の中には、文字の書けない人もいた頃、仕事探しのためにと、履歴書を書いてもらおうと代書屋にでむいた松本留五郎さん。この留(とめ)が、なんとも天真爛漫なアホさ加減で、可笑しいったらないのです。これを相手に困り呆れかえる代書屋さんとのやりとりがひとつの噺になっております。この中で、留五郎さんが自分の職業をきかれ、ぞうりのへりを防ぐためにつける「ヘリドメ」を売っていただの、川底のゴミをひろう「ガタロウ」っていうような変な名前の職業を順々に答えていくくだり。後々、有名になった、枝雀さんが裏返った高く大きな声と、手を大きく広げてひとこと「ポンでーす」(ポンは米のポン菓子をつくる人。この職業の人は、実際みたことあります。)っていうのは、ここでは入っていません。昭和57年版では、まだやっていなかったわけですね。30分に満たない長さなのですが、おおいに笑わかしてもらいました。
もう1席は、「親子酒」。こちらも昭和56年版。酒飲みで毎晩帰りの遅い息子をしかり、これまた酒飲みの親父さんがどちらも気分よく酔って登場する噺です。途中、酔いつぶれて帰った親父さんが、酒を飲んで帰ってこない息子のことをぐちっているうちに、もたげた頭がだんだんと前にたれ、そして、ついには舞台に頭をゴットンとぶつける場面。CDなんで見えないのに、思い出して笑ってしまいます。
2席をいっきに聞き終わってみると、やはり490円。なんだかもの足りない。もっとききたくなってきました。

NHKラジオ第一の土曜夜の森口博子が司会をやっている「渋谷極楽亭」。柳家蕎太郎の「白日の夢」という創作落語を耳にしました。短くまとめられてましたが、面白かった。姉御っぽい女性の声がいいんですよね、ちなみにホワイトデーのお返しに窮する夫とそれをいたぶる妻の噺です。