秋野不矩美術館に行ってきました


連休のさなかとはいえ、浜松の奥、昔の天竜市、二俣はのどかなもんでした。以前から行ってみたかったんで、この機会にと車で。藤森照信さんっていう建築家(安藤忠雄だっけなんて最初はいっていたんのですが、美術館に入ってきいてみたらわかりました)の設計による、木とワラ入りの漆喰をつかったユニークな建物もみどころです。館内は、それほど広くはないのですが、天竜という、山あいの風景に実によくとけこんでいます。

板の側面がいい風合いの色になってます。このむこうはに、京都の清水寺のような雰囲気で、周囲を見渡せるテラスがあります。




たどりつくまでの坂の街灯もなつかしい雰囲気。夜に見てみたい。






道すがらの花も今が見頃。こんなあざやかな色のつつじをはじめ、あやめなどなども目を楽しませてくれます。




ちなみに秋野不矩さんは、明治41(1908)年にここ二俣に生まれ、93歳まで生きた女性画家。19歳で故郷を離れ、千葉の石井林響、京都の青甲社というところで学び、西洋画の影響を受けながらも、人物画で新境地を開いたと説明にあります。私がはじめに見たのは、50代以降にインドをたびたび訪れて描いた、そこに生きる人々の姿や寺院など。圧倒的なスケールと独特の色づかい、独自の絵画に心惹かれました。インドにとどまらず、アフガニスタン、ネパール、カンボジア、アフリカまで、創作のために勢力的に行き続けた、その生き方にも惹かれるものを感じます。今回は、ゆかりのある日本画家、小野竹喬(おのちっきょう)と並べての企画展示だったので、期待していた、大きなサイズの絵の展示がなかったのは、ちょっと残念でしたが。
帰りに近くの道の駅で、天竜のひのきをつかったまな板が1,260円と、都会で買うよりずっと安かったんで、ひのきのカンナくず1袋120円と一緒に購入。ひのきの香りを持ち帰りました。
二俣は、ホンダの創始者本田宗一郎さんも輩出したところ。「本田宗一郎さんの通った学校」っていう看板も小学校の近くに立っていました。山間いの村から世界へと歩みを広げていった偉大な先人たちです。