映画「キツツキと雨」を観ました

早稲田松竹にて。これ観て、役所広司さんってホント、色々な人に違和感なくなれる人だなと思いました。今、人気の小栗旬が、映画監督という重責にふらつき、自信をなくしたり、逃げ出してしまったりしながらも、己の立ち位置になんとかもどる若者の役。田舎に暮らす人たちと都会から来た映画撮影隊との会話のズレぐあいや、親と子ども(役所広司の子ども役は高良健吾)とのズレ、林業という実の世界に飛び込んでくる映画撮影隊という虚構創造の世界のズレ、そのズレが可笑しいやら、微笑ましいやら。自然な会話はこびは脚本の妙。上映中、思わず笑ってしまうところが随所に。それでいて、最後は、めでたしで。後味のいい、ココロがちょっとあたたかくなるような映画でした。岐阜県の山間が舞台、明知鉄道岩村駅が出てきます。「南極料理人」も沖田修一が監督。
2本立てのもう1本は「人生はビギナーズ」。老年になりカミングアウトし死ぬまでをゲイとして生きることとした父、この父を傍らで見守る息子。息子は38歳の独身イラストレーター。新しい恋がはじまるが。というような、ありそうでなかなかないのかもしれない話。母は、父が自分を愛していないことを認めながも内に秘めたる苦悩。息子に対しての愛情と奇抜な行動にココロの中の空しさが見え隠れする。その狭間で、生きてきた息子。ひとつピンとこなかったのは、母はユダヤ人であること。そこに何か意味付けをしているものなのかどうなのか。そこはわかりませんでした。
「人はいくつになってもスタートできる」って案内にあり、アメリカらしいポジティブさがテーマとなっていましたが…。
2本に共通して出てくるのは、いずれも父と息子の姿でしたが、感情移入共感度はやはり封画作品という感じではありました。