天下御免をもう一度観てみたい

1971年10月から1972年9月、全46回放送されたドラマ。(大河ドラマ枠だったかと思いますが、ちがうかも)放映からほぼ40年近くを経過したというのに、ここ数年、ふとした時にオープニングの音楽が、頭に思い浮かんできてはリフレインされておりました。ビデオはないのかと思ってはみたものの、放送したNHKアーカイブにも初回と最終回しか残っていないそうで。残念。それではと、早坂曉作の脚本「天下御免」第1巻〜3巻(勉誠出版刊)を読んでみることに。今また放映してもうけると思うくらいの展開の面白さ。鉛公害のことやら、役人の世界のばかばかしさや鎖国の世に起こる国際化など、今の時代にも変わらずある問題があれこれ盛り込まれ、実況中継風仕立てがありの、テロップありの今使われてる手法もほぼこのころからやっていたんだと気がつくことばかり。巻末に記されている出演俳優も、今を思えばすごい、太地喜和子坂本九など個性豊かな味のある人ばかり。思い出しながら、わくわくしてほぼいっきに読みました。
解説をよせている法政大学教授の田中優子さんもビデオ映像が残っておらず再放送ができないことを惜しんで、最後に時代にあわせた再ドラマ化を望む。と書かれていました。
鴻上尚史さんも、今も思い出す、毎週この番組をどれだけ楽しみにしていたことかって。
ちなみに出演していた方々は
平賀源内 山口崇/小野右京之介 林隆三/稲葉小僧 秋野太作/紅 中野良子/八萬 山田隆夫杉田玄白 坂本九田沼意次 仲谷昇/半六 谷啓/北々斎 三遊亭円生/レンゲ 太地喜和子/川平 小松正夫/船木俊英 大石悟郎/ケヤキ 佐藤万里/星娘 保倉幸恵/官兵衛 下川辰平/水前寺義太夫・ナレーション 水前寺清子/村越弥太郎 財津一郎/座頭角 花沢徳衛/茂左衛門 ハナ肇/ハツ 内海好江/斉藤弥一 伊東四郎など(この倍くらいのキャスト)
ところで、最後に発見というか衝撃。田中優子さんの解説中、平賀源内は生涯一度も結婚しなかった。それは研究に没頭していたからではなく、女性に興味がなく、本格的なゲイだったから。70代当時は男色では刺激が強すぎるということと原作者がそうしたくなかったということで採用されなかったそうだ。せっかく紅さんのからむ恋のゆくえをやきもきしながら読んでいた私としては、あれまあ、びっくりでした。