京都河原町からてくてく歩き

碁盤目状に通りが東西、南北に交差する京都。通りの名前さえわかれば、わりと迷うことなく目的地にたどりつくことができるというもの。阪急河原町駅から西へ。堺町通りを北へ上ッテイキ、錦市場通りも越えてしばらく行くと、左、第一の目的地としたイノダコーヒーヘ。
和洋折衷の店構え。店内、禁煙を希望したら、レトロな応接室風の個室に通されました。音楽が流れることもなく、静か。店の歩みを紹介する写真や昔の道具などがディスプレイされ、ちょっとしたミュージアム。ちなみに個室以外の席は広くて、ここでは喫煙者が優位のようです。

モーニングセットは1200円くらいだったので、コーヒー(500円)とトースト(350円)にしました。「京都のコーヒーはどろりと濃い」ともいわれるそうで、いつものファーストフード系のコーヒーとは、ひと味違った味わいでした。

DATA イノダ珈琲本店 京都市中京区境町通り三条下ル道祐町140 TEL 075-221-9597 9:00〜20:00 無休

次には、寺町通り沿いの本屋さんや布のお店を覗いた後、御池通りを越え、二条通まで上リ南北の通り、東洞院通りと交わる手前南側にある、手打ちとおるそばへ。

平日の昼時、近所に勤める人が次々と来店。待ちのイスが用意されているほど。カウンターのみ、10席ほど。

ざるそばの中(800円)をいただきました。そばは食べやすく短めにしてあり、のどごしもよく、近所の人が何度も来ているのもわかる気がしました。

次はと西へずんずん進み堀川通りへ、二条城の北にあるギャラリーモーネンスコンピスをめざしたのですが、残念ながら、9月からの開館ということ。堀川通りを北に行くと、堀川商店街。そこには、アンティークを含み、日本の生活雑貨をいろいろ置いているお店など、結構面白そうな個店が。途中で路地へと入り、北方向へ。今出川通りを越えたところで、バスに乗車。めざすは、庭がきれいという源光庵へ。

本堂にある悟り窓(丸窓 「禅と円通」の心を表す、円は大宇宙を表現)と迷いの窓(角窓 「人間の生涯」を象徴、生老病死の四苦八苦を表す)。

DATA 曹洞宗 源光庵 京都市北区鷹峯北鷹峯町47 075-492-1858 拝観料400円

次にめざしたのは、石庭のむこうに比叡山までを望めるという正伝寺へ。源光庵から歩くこと30分ほど。途中、道行く人に尋ねながら、なんとかたどり着いたのが4時45分頃。山門から、木々がうっそうと繁る参道を登った、本堂からの眺めは、途中で断念しなくてよかったと思える、清々しいものでした。石庭は割とこじんまりとしているのですが、その遥か先にくっきりと見える比叡山とのとりあわせがなんとも素敵なこと。静かさの中、しばし、ぼーっとその風景を眺めてました。
大文字焼きはここから眺められるようです。
寺の北側の山で焼かれるのが「舟形」。

江戸初期 小堀遠州作 「獅子の児渡し庭園」白砂敷平庭園 さつきの刈り込みにより七五三調を表現した枯山水 と説明書きより

DATA 正伝寺 京都市北区西賀茂北鎮守庵町72  拝観料400円 

京都市内のバスの1日乗車券500円を使って効率よく回るという手もあったのですが、ひたすらてくてく歩いてみることで、穴場めぐりのような発見もあった1日でした。